90代高齢者から家族、入所者や施設職員へ
1月23日、北九州市戸畑区の高齢者施設で結核の集団感染が発生したことが、各種メディアで報じられています。
昨年、入所中の90代の男性と80代の女性が発症したことから、市が調査したところ、男性の家族と入所者、施設の職員56人について調査したところ、14人が感染していることが判明したということです。
同日、広島の刑務所でも5人が集団感染したことも報じられました。
結核に関するニュースが多くなってきたように感じます。
高齢者の発症が全体の7割
福岡県では、新規登録結核患者のうち65歳以上の高齢者の占める割合が70%に達しています。その理由として、日本が結核まん延国だった時代に感染した人が多く、高齢化に伴いからだの抵抗力が衰えたことや、その他の病気治療のための投薬などで免疫力が低下して、結核を発病することが多くなってきているということです。
結核に関する正しい知識
結核に関する知識として
①発症しても、初期には排菌しないことから、3~4種類の服薬で、通常の生活を続けながら治療できます。
②排菌している場合は、隔離入院治療となりますが、 その期間は3か月程度で、排菌が止まれば外来治療に移行し、通常の生活に復帰できます。
③服薬治療は、医師の処方通り行うことが大切です。
薬を飲むと症状が消えるため、自己判断で服用をやめてしまう人がいます。しかし、完全に菌を殺す前に服薬を止めると、菌が薬に対して耐性を持つようになり(多剤耐性菌)、その耐性菌が集団感染を起こすことがあるのです。こうなると深刻な被害を引き起こすことになるため、周囲の人のためにも治療は最後まで続ける必要があります。